私とLo-D HS-500というオーディオスピーカー

 私が紅顔の美少年だった(^_^;)1960年代後半~1970年代は、いわゆる家電メーカーもオーディオブランドを立ち上げて、高級オーディオ装置を販売していました。

 その中の一つに日立製作所が展開していたLo-Dというブランドがありました。
そのLo-Dから1968年に売り出されたのが、知る人ぞ知る、Lo-Dの代表作HS-500というスピーカーです。
 

そのビンテージスピーカーLo-D HS-500が手元にあります。しかも現役です。 

オーディオの足跡という個人が運営されているミュージアム的なサイトにカタログデータが掲載されていますので、そちらで素性を知ることができます。
http://audio-heritage.jp/LO-D/speaker/hs-500.html

 

 いつ購入したか(買ってもらったか)正確には記憶していないのですが、私が中学2年か3年の時に購入したと思います。
ですから、1971年ころでしょうか。
元箱が残っていて、プライスカードが入っていました。
定価65,000円/1本 ・・・当時は消費税などなく、物品税が商品に上乗せされていました。
このころの大卒初任給が43,000円程度だったそうですから、2本買うとなると新人サラリーマンだと3ヶ月分の給料をつぎ込まないと買えないことになります。

しかもこのころはセパレートステレオから単品コンポ(当時はバラコンポと読んでいたような気がする)に移行しており、スピーカーの他にプリメインアンプ、レコードプレーヤー、テープデッキ(カセット・オープンリール)などを揃えないと、音楽が聴けない時代でした。

全部揃えると、軽く50万円になってしまいます。今の物価に換算すると、大卒初任給が20万円として、200万円超という金額。
今のハイエンドオーディオといわれているジャンルの機器には、1台でこれ以上の機器がごろごろしていますが、当時高度成長時代のまっただ中、中学2年生の子供が200万円超の電気製品を買い与えてもらったことを親に感謝しなければなりません。

 

我が家は自営業でしたから、私がものごころつくまでは、父の休みは、盆と正月の2日間だけ。
私が小学生になったころには、毎月第1・第3日曜日をお休みにして、日帰りドライブに連れて行ってくれたことを懐かしく思い出します。
自分が人の親になって初めて親の有り難みがわかりました。

 今の日本、一部の人はがむしゃらに働いていますが、週休2日制が導入されてから働かなくてもよくなり、GDPで中国に追い抜かれ、そのうち他の新興国にも抜き去られるのではないでしょうか。

 

このHS-500、音は出るといえども経年劣化からか、ベストコンディションとは言いがたい状態です。
なにせ、25年もの期間、屋根裏の物置にしまい込み、夏は高温多湿、冬は低温多湿の悪条件の中、一度も音出しされない状態で放置されていたのをアナログレコードを聴くために、25年ぶりに引っ張り出してきて、昔のような音が出ないと嘆いても「スピーカーがかわいそう!」と言われそうですね。

ここから、HS-500を蘇らせるべく、試行錯誤・悪戦苦闘がはじまります。

 

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コメント

  1. visioman より:

    HS500懐かしいですね。ギャザードエッジ指で押したくなります。以外に柔らかいものでした。私には、高校生の頃の記憶となります。学校の帰りに駅の近くのオーディオ店に立ち寄って憧れの眼差しで店内の製品を見つめていました。
    当時「2001年宇宙の旅」のサントラ盤でしょうか「ツァラトゥストラはかく語りき」が店内に大音量で鳴り響いていました。アンサンブルステレオが衰退していきコンポーネントステレオが普及していく頃の時代ですね。
    高校1、2年の時にコーラルフラット8をお小遣いの貯金で買ったのがオーディオの入門でした。

    • beniigoodman より:

      visiomanさんいらっしゃいませ。

      HS-500の中を覗くとがっかりします。
      スピーカーユニットはすごい物が使われているのですが、配線材やネットワークに使う部品はそれに比べてあまりにもお粗末なんです。

      少し前のCMキャッチコピーに「脱いでもすごい!」というのがありました。
      HS-500に関しては、「脱がない方が良かった~~~」なんです(>_<) でも、先人に習って少しずつ補修しているところです。

      • visioman より:

        HS500のギャザードエッジは、無事だったのでしょうか。それが心配です。
        スピーカーユニットを押入れ等に長期間保管しているうちにウレタンエッジは、まずボロボロになってしまいます。高価なフルレンジユニットを泣く泣く捨てたことがあります。

        しかし私が高1の頃 HS500を買われていたとは羨ましい。

        せび復活させてその勇姿を観せていただきいと思います。

      • コンスタトレイン より:

        初めまして、コメントさせていただきます。私もHS-500を30年ほど前に譲り受けたものをオリジナルのまま使っています。このスピーカーの情報からネットワークの改造を考えています。このスピーカーの気に入っているところは、自然で嫌みのない音と2つのユニットが個性的なことです。あまり手を加えないでコンデンサーと配線の交換かなと思っています。


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